オートミールは燕麦を潰した無精製の全粒穀物で、胚芽などがそのまま残っているために植物繊維、ミネラル、ビタミンが豊富な機能性食材です。
日本人の食生活は小麦中心に代わっていますが、小麦にはグルテンという健康に有害な物質が存在します。
オートミールは栄養バランスが優れたグルテンフリー食材ですから長期間食べ続けても安全です。
■オートミール
欧米では古くから食べられてきましたが、現在でも健康食品として大変人気のある食材です。
日本では「昭和天皇の朝食にオートミールがだされていた。」と紹介されることもありますが、シリアル、グラノーラなどと比較するとあまり人気のある食材とは言えません。
オートミールは精白米に比べると玄米と同様に栄養価に富んだ優れた食材で、特に日本人に不足しがちな植物繊維を豊富に含んでいます。
水溶性植物繊維が豊富な外皮はオートブランの原料としても利用されます。
植物繊維の働きは、血中コレステロール減少、血糖値の低下、免疫機能強化、排便促進、癌予防、心臓病予防など多くの健康効果が期待できます。
水、牛乳、ヨーグルト、豆乳などを添加して粥状にして食べるのが一般的で、レンジで2~3分温めれば食べられるので、忙しい人の朝食には最適です。
低カロリーですから野菜類、肉類、豆類など、どんな食材と合わせても良いので、カロリーコントロールや栄養バランスを取るうえでも利用しやすい食材と言えるでしょう。
特に鉄分は女性にとって不足しがちな栄養素で、男性と比べて約1.5倍の摂取が必要量になりますが、オートミール100gで1日の30%以上を補うことができるお薦め食材です。
オートミールや玄米などの全粒穀物は胚芽に農薬が残りますので、選ぶなら価格よりも無農薬の食材を優先するべきでしょう。
参考までに調理前100g相当のオートミールと白米、玄米の栄養素を比較してみました。
栄養素/食材(100g相当) | オートミール | 白米 | 玄米 |
エネルギー(kcal) | 380 | 356 | 350 |
蛋白質(g) | 13.7 | 6.1 | 6.8 |
脂質(g) | 5.7 | 0.9 | 2.7 |
炭水化物(g) | 69.1 | 77.1 | 73.8 |
植物繊維 | 9.4 | 0.5 | 3.7 |
B1(mg) | 0.2 | 0.08 | 0.41 |
B2(mg) | 0.08 | 0.02 | 0.04 |
ナイアシン(mg) | 1.1 | 1.2 | 6.3 |
B6(mg) | 0.11 | 0.12 | 0.45 |
葉酸(㎍) | 30 | 12 | 27 |
パントテン酸(mg) | 1.29 | 0.66 | 1.36 |
ビオチン(㎍)45 | 2 | 1.7 | 1.4 |
ナトリウム(mg) | 3 | 1 | 1 |
カリウム(mg) | 260 | 88 | 230 |
カルシウム(mg) | 47 | 5 | 9 |
マグネシウム(mg) | 100 | 23 | 110 |
リン(mg) | 370 | 94 | 290 |
鉄(mg) | 3.9 | 0.8 | 2.1 |
亜鉛(mg) | 2.1 | 1.4 | 1.8 |
銅(mg) | 0.28 | 0.22 | 0.27 |
セレン(㎍) | 18 | 2 | |
モリブデン(㎍) | 110 | 69 | |
マンガン(㎍) | 0 | 40.8 | 2.05 |
■オレゴンティルス認証
OTCO(Oregon Tilth Certified Organic:オレゴン州オーガニック認証団体)は1982年に設立されたアメリカのオーガニック認証団体でオレゴンティルスとも呼ばれています。
化学肥料、農薬を最低7年間使用していない土壌で育った農作物などの認証基準を満たしたことをOTCOが認証するもので、その認証基準はアメリカで最も厳しいことで知られています。
OTCOの活動は安全な農作物だけでなく、土や水、大気など自然環境を汚染させないという理念に基づいたものです。
有機農法は雑草、昆虫、鳥などの害を受けやすく忍耐と労力の必要な農法ですが、OTCOの活動に共感する多くの人々に支持されています。
この活動はアメリカだけでなくブラジル、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、オーストラリアなど世界中に広がりを見せています。
オレゴンティルス認証食品オーガニック・オートミール
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