沖縄県を代表する夏場におすすめの野菜・ゴーヤの栄養素と9つの健康効果

沖縄県を代表する夏場におすすめの野菜・ゴーヤの栄養素と9つの健康効果

ゴーヤは1年生のウリ科の植物で、沖縄県を代表する野菜としてよく知られています。
独特の苦みがあり、人によって好き嫌いがはっきり分かれる傾向がありますが、調理次第で苦味を消すこともできます。
他の夏野菜と同じで体温を下げたり、ビタミンCが豊富で夏バテ防止に効果のある野菜として良く知られています。
胃酸の分泌を即し、食欲増進を促進させる効果もありますので、特に夏場の栄養補給には積極的に利用したい食材です。
長生きで有名な沖縄県ですが、その理由としてゴーヤが一役買っている可能性が大きいと言えます。

■ゴーヤの原産地

ゴーヤの原産地は沖縄県が良く知られていて、全国の4割近くが沖縄で生産されています。
他では宮崎、鹿児島、熊本など南九州地域が沖縄に続いて生産量が多く、全体の7割以上を占めています。
栽培しやすいことから今では全国各地で栽培され、一般家庭での栽培も普及し、緑のカーテンなどと言われています。
1990年に入って沖縄から本州にゴーヤの出荷が始まり、全国規模でゴーヤが家庭の食卓に登場するようになりました。
本州では、それまでニガウリと呼ばれていましたが、沖縄で使われているゴーヤという呼び名が、今では一般的になりました。

■ゴーヤの栄養素と健康効果

ゴーヤは栄養豊富で、バランス良く多くの栄養素が摂れる優れた野菜です。
特にビタミンCが豊富で夏バテ防止に効果があることで知られています。
価格も安く健康維持にも効果を発揮しますから、夏場には積極的に取り入れたい食材と言えます。

●ビタミンC

ゴーヤのビタミンCは、レモンの2倍以上、トマトの3倍以上、ビタミンCを多く含むキウイよりも多く、ビタミンCの宝庫と言える野菜です。
ビタミンCには、風邪、疲労回復、未肌などに効果のある栄養素です。
しかもゴーヤのビタミンCは他の野菜にはない、熱に強く加熱した料理でもビタミンCがほとんど壊れることがないという優れた性質があります。

●植物繊維

植物繊維は善玉菌を増やして腸内環境を整え、ブドウ糖の吸収速度を緩めて、血糖値の急激な上昇を抑制する効果があります。
免疫機能を維持するためや、コレステロールの吸収を抑えて、発癌物質を体外へ排出するのにも一役買っています。
ゴーヤはセロリの30倍もの植物繊維を含んでいます。

●カルシウム

骨は人の体の土台になるもので、一部に障害を起こせば体全体に重要な影響を及ぼします。
この骨を支えるのがカルシウムで不足すれば色々な障害となって現れます。
以外かも知れませんが、ゴーヤに含まれるカルシウムは牛乳の14倍もあります。

●鉄分

鉄分は女性に不足しやすいミネラルで、男性よりも多く摂取しなければならない唯一の栄養素です。
血液(赤血球)の成分となるもので、酸素の運搬に欠かせない栄養素です。
鉄分が不足すると、貧血、めまい、酸素欠乏症などの症状が現れます。
顔色が悪い、貧血症、などの女性には、特におすすめの食材です。
鉄分はレバー/赤身肉/魚類/豆類/海藻/野菜など多くの食材から摂取できますが、ゴーヤもそのひとつで鉄分を豊富に含む食材です。

●モモルデシン

ゴーヤの苦味成分はモモルデシンという成分で、サポニンとアミノ酸から構成されている機能性物質でゴーヤ特有の成分です。
モモルデシンは、血糖値、血圧、コレステロール値を下げ、食欲増進、消化促進、整腸などの作用があることがわかっています。

●水溶性ビタミン類(ビタミンB1/B2/葉酸)

糖質をエネルギーに変換させるためにはビタミンB1が必要になりますが、ビタミンB1が不足すると糖質をエネルギーに変換できず乳酸が蓄積され疲れやすくなります。
またエネルギーは脳や神経機能を正常に働かせるために必要となりますが、不足すれば肝臓、胃腸機能に支障をきたす要因となります。
エネルギー代謝に必要な栄養素がビタミンB2で、脂質を取るとエネルギ代謝で消費されて不足していきます。
動脈硬化、老化の原因となる有害物質の生成を抑制する効果があります。
葉酸は赤血球の造血に必要な栄養素で、不足すると正常な赤血球が作られず、貧血、酸欠の原因となります。
レバー、魚介類などの動物性食材に含まれるビタミンB12と一緒に摂取することで効果があります。

●脂溶性ビタミン類(ビタミンA(βカロテン)/E/K)

ビタミンAは目のビタミンと言われ、視覚機能に影響を及ぼします。
風邪、老化の予防、免疫機能向上、肌の乾燥などにも効果があります。
ビタミンEは体内脂質が酸化することで過酸化脂質が生成されて、老化や生活習慣病の原因となりますが、過酸化脂質の生成を抑止する効果があります。
ビタミンKは血液凝固作用やカルシウムが骨に沈着する作用を促進する効果があります。
脂溶性ビタミンは、油に溶けるので一緒に摂ると吸収しやすく効果的です。

●タンパク質/カリウム/カロテン

タンパク質は体の組織を形成する主成分となる重要な栄養素で、筋肉、皮膚、爪、臓器、などを形成するために必要となります。
体内のエネルギー代謝にも欠かせない栄養素で、不足すれば体に重大な障害が現れます。
カリウムは血液中に一定の濃度を保持するよう調整されていますが、濃度の変動によっては不整脈、心停止など重大な障害が発生する可能性があります。
ナトリウムの過剰摂取は血圧の上昇要因となりますが、カリウムは余分なナトリウムを体外に排出する役目を持っているため、血圧の上昇を抑制する効果があります。
カロテンの種類にはβカロテン/αカロテン/リコピン/ルティンなどがあります。
癌、生活習慣病、紫外線によるシミやシワ、目の病気から守るための栄養素です。
いずれも体内で活性酸素が発生して細胞の酸化によって起きる病気ですが、カロテンは抗酸化作用が強く酸化を抑えて正常な状態を維持する効果があります。

■癌細胞を除去

動物実験ではありますが、ゴーヤの抽出成分によってがん細胞の90%以上が死滅したという実験結果があります。
まだ研究段階で、全てのがん細胞に効果を発揮するかは解りませんが、癌の予防効果や治療効果が期待されるところです。

■天日干しゴーヤ

ゴーヤを天日干しにするとカルシウム、カリウム、鉄分などの栄養素が10倍~20倍も増加します。
栄養素が増えるのは得した感じを受けがちですが、一般の食品スーパーには天日干しゴーヤを見かけたことはありません。
天日干しゴーヤは、輪切りにして日向に一日干しておくだけで作れます。
生のゴーヤは苦みがありますが、干すことで苦みが消えて食べやすくなります。

■デメリット

食べ過ぎには注意が必要で消化促進効果で胃酸の分泌量が増加して、胃痛などの症状が出ることがあります。
毎日食べるなら量を減らすなどの工夫をして、食べる量をコントロールすることも必要です。
硬い表皮に包まれていて痛みにくそうに見えますが、あまり日持ちのしない野菜ですから、早めに食べないとすぐに色が替わってしまいます。
また妊娠中に食べると流産しやすいと聞いたことがありますが、妊娠中は体を冷やすと良くないことから水分が多く体を冷やすゴーヤが良くないということのようです。
流産しやすいということについては根拠が乏しくあまり気にする必要はないでしょう。
むしろゴーヤに多く含まれる成分として、ビタミンCは疲れやすくなる妊婦の疲労に効果がありますし、葉酸は赤ちゃんの発育に良い影響があります。

■まとめ

ゴーヤは健康維持に必要な栄養素を豊富に取れる食材です。
価格の高い食材ではありませんし、工夫次第でどのような料理にも使えますから積極的に取り入れてみることをお勧めします。
ゴーヤを食べることで期待できる効果・効能をまとめると以下の9項目になります。
薬と違って直ぐに効果を得ることは難しいですが、ゴーヤに限らず良質な食材を食べ続けることで健康な体を維持していくことができます。

①疲労回復
②夏バテ防止
③食欲増進
④消化を促進
⑤コレステロール値低下
⑥免疫力を高める
⑦風邪予防
⑧癌、糖尿病など生活習慣病予防
⑨美肌効果

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