蛋白質の働きと摂取基準

蛋白質の働きと摂取基準

蛋白質の適切な摂取量

蛋白質はアミノ酸が結合した化合物で、身体の大部分を構成する要素となる重要な栄養素です。
筋肉、臓器、血管、皮膚、骨、髪の毛、爪、その他にも免疫機能、酵素、ホルモンの調整などを形成する要素となります。
蛋白質はアミノ酸に分解され後、体内に吸収され、再び結合して数万種類もの蛋白質となります。
この蛋白質の種類によって、体内での役割が異なってきます。

アミノ酸の種類

アミノ酸の種類は20種類あって、必須アミノ酸(9種類)と非必須アミノ酸(11種類)に分類され、このうち必須アミノ酸は体内で合成されないため食物から摂取する必要があります。

必須アミノ酸
バリン、ロイシン、イソロイシン、スレオニン、メチオニン、リジン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン

非必須アミノ酸
グリシン、アラニン、グルタミン酸、グルタミン、セリン、アスパラギン酸、アスパラギン、チロシン、システイン、アルギニン、プロリン

蛋白質の適切な摂取量

身体の健康を維持するためには適切なエネルギー量が必要となり、1日に摂取する総エネルギー量の10%~20%に相当する量の蛋白質を摂取する必要があります。
1日に必要な総エネルギー量を2000kcalとすると、蛋白質で摂取するエネルギー量は200kcal~400kcalに相当します。
蛋白質は、1gで4kcalのエネルギー量になりますから、1日の摂取量は50g~100gとなります。
日本人の食事摂取基準によれば、総エネルギー量の13%~20%、推奨値として成人男子は60g、成人女子は50gとなっていますが、総エネルギー量には個人差があるため目安として理解すれば良いと思います。
特に高齢者の方は、歯が抜けたり、食が細くなって肉類の摂取量が激減する傾向があるため、他の食材から蛋白質を補う必要がでてきます。
蛋白質欠乏症
蛋白質が不足すると、筋肉量の減少、皮膚や髪のトラブル、集中力や思考力の低下、免疫機能低下による様々な病気に掛かるリスクが増加します。

蛋白質の効果的な摂取

食物から効果的に蛋白質を摂取するには、蛋白質の多い食材を取るだけではなく、良質な蛋白質を取る必要があります。
良質な蛋白質とは、必須アミノ酸9種類をバランス良く含んでいるということで、一種類でも欠けると蛋白質の合成ができません。
良質な蛋白質を含んだ食材を選ぶための基準としてアミノ酸スコア(プロテインスコア)があります。
アミノ酸スコアが高い食材ほど、効果的に蛋白質を摂取することができそうですが、そうではありません。
蛋白質を構成する必須アミノ酸のバランスを数値化したもので、アミノ酸スコアが100であっても、食材そのものに蛋白質が少なければ意味がありません。
蛋白質の含有量とアミノ酸スコアが高い食材、あるいは食材全体での蛋白質含有量とアミノ酸のバランスも考慮する必要がでてきます。

蛋白質が豊富でアミノ酸スコア(100)の食材 動物性食材では、鶏肉、豚肉、馬肉、アジ、イワシ、サケ、カツオ、牛乳、タマゴ、ヨーグルトなど
植物性食材では、大豆、プロテインなど

他にも、穀類と豆類を一緒に摂取することでアミノ酸スコアが上がって蛋白質摂取効果も上昇します。
調理が面倒な人には安価で手軽に食べられる魚の缶詰(サバ、イワシ、サケなど)がお薦めです。
タマネギや切干ダイコンのみじん切りなどの野菜と一緒に食べれば食感も栄養バランスも向上します。
さらに青魚は血栓のできやすい夜には血液をきれいにするので、夜食には最適な食材です。
プロテインは蛋白質を摂取するための食材で、忙しい朝には手軽に摂れる朝食としてお薦めです。

 

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