認知症の種類と原因・生活習慣改善による予防策

認知症の種類と原因・生活習慣改善による予防策

日本人の平均寿命が80歳を超えて、人生100年時代と言われる高齢化社会を迎える現在、高齢化とともに認知症を患う患者数の急増が社会問題になってきました。
認知症予備軍と言われる人も急増し、程度の差はありますが高齢者の4人にひとりが認知症、または認知症予備軍と言われています。
一人暮らしの高齢者の方、ご夫婦が高齢の方、高齢者を抱えるご家族の方にとっては、深刻な不安を抱える社会問題となってきています。
ご家族が認知症になってしまうとひとりでは何もできなくなってしまうため、長期間に渡って一日中誰かが看護に付きそう必用があり、ご家族にとっては大変な負担となってしまいます。
まして、一人暮らしともなれば、いっそう深刻な事態を招くことは言うまでもないことです。
しかし、予防策を講じることで認知症の発症を遅らせたり、発症リスクを減少させることができ、発症してから対策を講じるのとは比較にならないほどの軽微な対策で効果が期待できます。

■認知症の種類

1.脳神経疾患
●アルツハイマー型
認知症の半数がアルツハイマー型認知症であることからアルツハイマーと認知症は同意語のように認識されています。
脳内の記憶に関わる部位にアミロイド斑(老人斑)、神経細胞の中には異常蛋白が蓄積され、細胞間の情報伝達を行うシナプスの消失に伴って、記憶や思考能力が長期間に渡って徐々に喪失され、重症化すると食事など単純な作業も困難となります。
現在の医学では、アルツハイマーの治療方法が確立されていませんが、早期発見によって進行を遅らせる治療を施すことは可能です。
何よりも生活習慣を改善して予防策を講じることが有効となります。

●非アルツハイマー型
レビー小体型、前頭側頭型、大脳皮質基底変性症、進行性核上性麻痺など

2.脳血管障害
脳梗塞、脳出血、くも膜下出血などが原因で起こる脳のダメージ

3.炎症
細菌やウィルスに感染が原因で起こる脳内の炎症

4.外傷
頭部の外傷などが原因で起こる脳内へのダメージ

5.脳腫瘍
脳腫瘍が肥大して脳を圧迫

■認知症の原因

高血圧、高脂血症、肥満、糖尿病、心疾患、喫煙などが原因でアルツハイマー型認知症、脳血管性認知症のリスクが高まるとの調査結果があります。
その他にも健康に悪影響のあるすべてが認知症の原因となりえる可能性がありますので、原因を特定することは難しいでしょう。
薬の副作用が原因となる可能性もありますので、医療機関による治療を100%信頼することなく、自分自身で情報収集をして分析することも重要です。
これは過去のいくつかの経験値によるもので、特に生活習慣病による治療の多くが対症療法によるもので、長期間の薬剤投与が適切な治療とは思えないことに起因しています。
病気にかかる前であれば、生活習慣を改善することでリスクを減少することが出来ますから、予防策を講じることが最も有効となります。
年齢と老化は必ずしも比例するものではなく、100歳を超えても頭も体も健康な方が大勢いらっしゃいます。
これは生活習慣によって高齢になっても健康を維持することが可能であることの証明と言えるでしょう。

■認知症の予防対策

認知症の予防は、認知症に限定した特別のことではなく、一般的な健康維持のために実践されるものと同じです。
高齢化が進むことで認知症だけでなく、糖尿病、心筋梗塞、脳出血、癌など多くの生活習慣病のリスクが高まっています。
健康維持の対策を実施することは、あらゆる生活習慣病のリスクを低下させる効果が期待できます。
主な対策としては、運動、食事、脳トレ、睡眠など生活習慣全体を改善することです。
規則正しい生活とバランスのとれた食事、適度な運動、良質な睡眠などが基本となり、特別なことはなにもありません。
社会活動などへの参加は、多くの人と交流することで頭を使う機会が増えて頭脳の活性化に役立ちます。

1.適度な運動
ウォーキングやストレッチなどの有酸素運動は無駄な体脂肪を燃焼させるには効果的です。
運動や身体活動は、体と頭を刺激するため、認知症のリスクが減少します。

2.バランスのとれた食事
特に食べ過ぎは要注意、必要以上のカロリーの取り過ぎは、内臓に負担となり健康に悪影響を与えます。
食べ過ぎで吸収できない食物は、腸で腐敗して腸内環境を悪化させ、免疫機能を低下させる原因となります。
必要以上のカロリーを吸収すると脂肪として蓄積され、健康に悪影響を与える原因です。
詳細には触れませんが、三大栄養素、ビタミン、ミネラル、植物繊維を必要な量だけ摂取することを心がけましょう。
食事の第一の目的は生命を維持するためであることを再認識する必要があります。

3.睡眠と規則正しい生活習慣
普通は朝起きて夜になったら寝るという生活リズムが繰り返されることによって、体内時計が正常に機能します。
朝になって目がさめたら外に出て太陽の光を浴びることで、体内時計のスイッチが入って脳と体が覚醒に向かいます。
早朝の外気は生命エネルギーが充満していて、外気を吸うだけでも体内に生命エネルギーを吸収することが出来ます。
睡眠中は体温が低くなっていますが、脳が覚醒することで体温が上昇して体が活動できる状態になります。
夜になると徐々に体温が低下していくため、睡眠がとりやすい状態に向かいます。
夜間の入浴は、一時的に体温が上昇に向かいますが、その後体温が低下していくため、睡眠の準備としては効果的です。
体内時計が正常に機能することで、睡眠の質が高くなって深い睡眠がとれるようになり、寝起きも良くなります。
起床や就寝時間がバラバラでは体内時計が正常に機能しなくなり、健康に悪影響を与えることになりかねません。

4.知的行動で頭脳を活性化
脳は使わないと退化し、使えば発達していきます。
町内会や老人会などの社会活動に参加することは、多数の人と会話の機会が得られるため、家に引きこもっているより脳の活性化にプラスの効果があります。
コロナの影響で人との接触を控える傾向がありますが、会食などは控えて一定の距離を確保して、換気対策を取っていれば、短い時間であれば感染リスクは低いでしょう。
出来ない事をやろうとすると脳が学ぼうとして活発に活動するため、脳の活性化が促進されます。
体を動かしながら頭で別の事を考えるなど、同時に2つのことをやることも同様の効果があります。
Youtubeでは動画再生のスピードを2倍速まであげることが可能、2倍速再生で脳の活性化に取り組んでみてください。

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